子どもがネガティブな言葉を発したとき、親はどんな「声かけ」をすればいいのでしょうか?困難に負けない子どもに育てるための声かけの具体的ポイントを、日本ポジティブ教育協会代表理事の足立啓美さんが監修する書籍『子どもの心を強くする すごい声かけ』からご紹介します。
人前での発表や受験、試合前で、プレッシャーに押しつぶされそうになっているとき
【NGな声かけ】●「もっと強くならないと!」
●「緊張してると失敗するよ!」
●「失敗しないようにね」
【OKな声かけ】●「緊張するのは当たり前だよね」
●「リラックス、リラックス」
●「一緒に深呼吸しよう」
言葉と深呼吸の合わせ技で心と体の力を抜こう
大事な試合や発表会、入学試験の前など、人生に大きな影響を与えるような出来事を前にしたとき、子どもたちは自分の緊張だけではなく、親や周りからの期待も背負って、大きな緊張感に襲われるものです。
そんな緊張状態の渦中でプレッシャーにつぶされそうになっている子どもに対して「もっと強くならないと!」「失敗しないようにがんばってね!」と声をかければ、さらなるストレスを与えることになりかねません。子どもを追い込むことになってしまいます。
なかには、どんな状況にも動じないタイプの強い心を持つ子もいるでしょう。しかし大半の子どもはストレスを感じる状況になると緊張したり、不安や焦りを感じたりするものです。それは、その子が弱いということではありません。
これからとりかからなければいけない出来事を大切なことだと認識している証拠です。これから向き合うことをどうでもよいと思っていたら、緊張することはないからです。
心と体を落ち着かせる〈声かけ〉で気持ちを立て直す
大切なことは、緊張から萎縮している場合には、その気持ちを立て直す方法を身につけておくことです。子どもがよりよいパフォーマンスが発揮できるようにするためにも、心と体を落ち着かせるような声かけと深呼吸でサポートをすることが有効です。
おすすめは「リラックス」という言葉を使うこと。リラックスという言葉には、「落ち着いてね」「緊張する気持ちよくわかるよ」「実力出せるよ、大丈夫だよ」といった、さまざまなメッセージを含めることができます。
私も、子どもが病院を極度に怖がって緊張状態になってしまったときや、生徒が受験の前日にドキドキして眠れないというときなど、「リラックス〜、リラックス〜」とよく声をかけました。そして、一緒に深呼吸をすることで、子どもたちの心が無事に落ち着いたことが何度もありました。
成功している〈いいイメージ〉をもたせるのもポイント
成功している姿をイメージさせるのもよい方法です。「うまくいっている姿はどんな感じかな?」「どんな気持ちになる?」と声をかけながら、ポジティブな感情を味わうのもよいでしょう。
緊張すると呼吸が浅くなったり、筋肉が硬直して体が動きにくくなったりします。声かけと同時に、深呼吸やストレッチで体を動かすことも一緒に行うことをおすすめします。
逆境に負けない力を育てる『子どもの心を強くする すごい声かけ』
『子どもの心を強くする すごい声かけ』1,540円(主婦の友社)
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