食べる日と食べない日がある、量にムラがある、好き嫌いが多い...など、食べない子どもにイライラしてしまうこと、ありますよね?どうすればしっかりごはんを食べるようになるのでしょうか?小児科医で発達脳科学者の成田奈緒子先生に教えてもらいました。
「おなかがすいて食べる」のが何より大切!
眠ることと同じく、生きていくために大事なのが「食欲を感じて食べる」こと。「おなかがすく」感覚を覚え、しっかり食べて満ち足りた気持ちを感じることが、子どもの食欲を育てる基本です。
離乳食を始めたばかりの1回食のころは、「ママが落ち着いて対応できる午前10時頃に」といわれますが、これはあくまで目安です。実際には子どもの様子をよく観察し、空腹かどうかを見ながら与えましょう。
規則正しい食事リズムが健康な体をつくる
一日のスタートとなる朝ごはんをしっかり食べるには、まず早起きしなければなりません。長時間眠り、朝起きたときにはおなかがすいているのが健康な体です。
おなかがすいていれば、食事がおいしく食べられます。そして、たくさん体を動かして、またおなかをすかせてごはんを食べる。このリズムが健康な体をつくり、脳への刺激にもなります。
もちろん、食べる量には個人差があります。小食な子でも、その子に合った量をおなかをすかせて食べることができれば大丈夫。
そのためには、食事の時間を規則正しく設定し、食べない時間を生み出していくことも大切です。ぐずったときにおやつやジュースでごまかさないように気をつけましょう。
大人になるまでに食欲はこう育つ!
0〜4ヶ月頃:母乳&ミルク
母乳&ミルクは、飲みたいときに生まれてすぐは「空腹」ははっきりとはわからず、原始反射で乳首に吸いつくことからスタート。だんだんと空腹と満腹がわかるようになります。
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5ヶ月〜1歳頃:離乳食
離乳食で固形物を食べるレッスンドロドロの形状からスタートする離乳食で、徐々に固形物が食べられるように。授乳から2時間以上間隔をあけて、空腹時に与えるようにして。
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1〜5歳頃:幼児食
自分で食べる意欲を伸ばしてつかみ食べが始まり、自分で食べようとするように。食事のリズムは大人と同じになり、スプーンやはしも徐々に使えるようになります。
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大人になるまでに...
食べ物を自分で調達して食事ができる子に
自分で買い物や調理をして、食事を準備する力を養っていきましょう。そのためには、お手伝いが有効。さまざまな体験で、食への興味を広げて。
食欲のある子に育てるための6つのポイント
食べることの楽しさを伝えることが、「自分で食べたい」という意欲につながります。やる気を引き出すには、ママの働きかけも大切!
ポイント①ママが先回りして食べさせない
1歳頃から始まる手づかみ食べは、「自分で食べたい」という意思表示。ママが横からスプーンを口に入れようとしても、それは「イヤイヤ」につながります。子どものやる気を見守るゆとりを持って。
ポイント②生活リズムを基準に食事の時間を決める
毎日決まった時間に食事をすることで、消化酵素が出て体内リズムができ、規則正しい生活のもとになります。朝昼晩の3食とおやつは、きちんと時間を決めて大幅にズレないように心がけましょう。
ポイント③一緒に「おいしいね」と言いながら
大人がいっしょに食卓を囲み、会話をしながら食事を楽しむことも大切。信頼するママやパパのおいしそうな笑顔を見ることで、苦手な食材にもチャレンジする勇気がわいてきます。ひと口でも食べられたら、たくさんほめてあげて。
ポイント④:お手伝いや遊びで食への興味を広げて
食事の配膳などのお手伝いや、スーパーでいっしょに食材を選ぶだけでも、子どもの好奇心は刺激されます。食べ物が出てくる絵本にふれるのも◎。自発的に「食べたい!」と思えるよう、子どもが食にかかわるシーンをふやして。
ポイント⑤:よそ見し始めたらおしまいにして
食事中、ほかのことに気をとられるのは、満腹になったからでもあります。まだお皿に食事が残っていても、思い切って「おしまい」に。次の食事タイムまで食べ物は与えず、空腹を覚えさせることも大切です。
ポイント⑥:おなかがすいて食べる!ためにも適度な運動を
家でじーっとしていては、おなかもすきません。天気のよい日は散歩したり、公園でしっかり遊んだりして、「おなかすいたー!」→「ごはん食べよう!」という流れをつくって。
食欲のある子は生きる力のある子です!
「食欲がある」とは、量をたくさん食べることではなく、空腹感がわかって食べること。この動物としての本能である「食欲」をしっかり育ててあげましょう。
苦手な食材を無理に食べさせようとしたり、「全部食べなさい!」といやがる子どもに強要したりするのはNG。また、食事中にテレビをつけっぱなしにするのも厳禁です。食べることに集中し、食事を楽しめるように心がけてください。
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