検索
カテゴリー一覧
赤ちゃん・育児
MENU
Copyright (C) SHUFUNOTOMO Co., Ltd. All Rights Reserved.
「頭が横に広がり気味」「後頭部が尖っている」「絶壁頭だけどこのままでいい?」など、赤ちゃんの頭の形について悩んでいるママは意外と多いもの。赤ちゃんの頭の形ついて詳しい、小児形成外科の先生に詳しくお話を伺いました。実際に、矯正治療を行った先輩ママ&赤ちゃんの体験談も紹介します。
生まれたばかりの赤ちゃんの頭蓋骨は、板のような状態の骨が何枚かに分かれてできています。それぞれの骨は薄くてやわらかいのが特徴。
骨と骨とのつなぎ目がくっついておらず、すき間があります。このすき間をギュッと縮めて頭の形を変化させられるから、狭い産道も通過することができるのです。
赤ちゃんの頭のてっぺんあたりを押すと、ぺこぺことやわらかい部分(大泉門)がありますが、これは骨と骨の間にすき間がある証拠。
大泉門は、1歳半〜2歳くらいで閉じますが、それまではやさしくふれるよう心がけましょう。
赤ちゃんの頭蓋骨はやわらかく、乳児期の急速な脳の成長にあわせて骨と骨のつなぎ目が広がるようになっています。
生後6ヶ月頃から頭蓋骨がかたくなりはじめ、3歳頃には大人の90%ほどの大きさまで成長します。
A.ママのおなかの中の様子や分娩時の状況などが変形の原因に
赤ちゃんの頭が変形する主な原因は、生まれる前、出産時、生まれた後に分けることができます。それぞれどんな原因が考えられるかを解説します。
【生まれる前】
●おなかの中の環境
ママのおなかに筋腫があるなどの場合、それに応じて変わることも。
●逆子や多胎
多胎や逆子の場合、子宮内での姿勢が普通と異なるために変形する場合が。
●先天性の病気
頭蓋骨のつなぎ目が早くかたくなる早期癒合症や手足の異常を伴う病気が原因に。
【出産時】
●分娩方法(補助分娩)
分娩時に器具などで頭を引っぱられたりすることで一時的にいびつに。
【生まれた後】
●向き癖
赤ちゃんから見てママがいつも同じ側にいると、向き癖がつきやすくなります。
●生活環境
同じ姿勢が続くベビーカーやチャイルドシートの長時間使用は、頭の変形の原因に。
A.通常生後1ヶ月ぐらいで治ります
狭い産道を通過したことで変形した場合や、分娩時、頭に器具をつけて引っぱり出された際にいびつになった場合は、通常生後1ヶ月程度で元に戻ります。
A.効果が期待できるのは新生児期のみ
生後1ヶ月頃まではおとなしく使ってくれますが、動きが活発になってくると枕がずれてしまうため、効果はあまり期待できないでしょう。
A.日常生活の見直しで改善されることも
ベビーベッドの位置を変えたり、いつもと違う腕で抱っこするのもいいでしょう。気がついたとき、ママがやさしく頭の位置を直すのもよいと思います。
長時間ベビーカーを使うときは、1時間おきに抱き上げ、体をほぐして。また、ママが赤ちゃんにふれて背中の緊張感をやわらげることも、向き癖の改善につながります。
●ママのおなかの上でリラックス
赤ちゃんにとって安心できるママのおなかの上で、1日に何回か腹ばいになり、リラックスしながら体の筋力をつける方法。1日合計30分以上行うことが目標です。
ママが床またはソファの上にあおむけになり、おなかと胸のあたりに赤ちゃんを腹ばいにしてのせます。口や鼻をふさがないよう、顔を左右のどちらかに必ず向かせてあげましょう。
▼
▼
慣れたら床にかためのマットを敷いて腹ばいに。このとき、赤ちゃんの顔のまわりにタオルなどを置かないよう必ず注意を。少しずつ時間を延ばすと、写真のように首を上げられるように。
●赤ちゃんとママの緊張をほぐす「タクティールケア(R)」
コミュニケーションしながら緊張をやわらげる方法。ママが赤ちゃんの背中や首をさすることで、赤ちゃんにもママにもリラックス効果があります。
赤ちゃんをかためのマットの上に腹ばいにさせ「気持ちいいね~」と話しかけながら背中をやさしくさすってあげます。口と鼻がふさがれないよう、顔は右か左に向くようにしてあげて。
▼
▼
ママの手でゆっくりと、赤ちゃんの背中をやさしくさすってあげましょう。背中と手のひらがふれあうことが大切。円を描くようにしながら、背中の中央から端に向かってさするのがポイントです。
A.一概に遺伝するとは限りません
ママやパパの頭の形が個性的だからといって赤ちゃんに遺伝するとは限りません。人種や育児方法、生活習慣が原因で変わることもあります。
A.うつぶせ寝はSIDS(乳幼児突然死症候群)の危険があるので絶対NG
「頭の形が気になるから」といって、赤ちゃんをうつぶせ寝にするのは、SIDS(乳幼児突然死症候群)の危険があるので絶対にやめましょう。
タミータイムといわれる、ママのおなかの上に腹ばいにする際も赤ちゃんが起きているときだけにしてください。
A.頭蓋骨縫合早期癒合症という病気の可能性があります
頭蓋骨縫合早期癒合症とは、1歳前の早い時期から頭蓋骨がかたくなってしまう病気です。頭囲の測定やエックス線・CT検査などで脳の成長を確認し、病気かを診察します。
A.生後半年までに小児脳神経外科や小児形成外科を受診しましょう
ママがひとりで悩んだり、根拠のない情報に振り回されるのはよくありません。気になるときは、小児脳神経外科や小児形成外科のある医療施設を受診しましょう。
生後6ヶ月以降は頭蓋骨がかたくなってきてしまうので、生後6ヶ月になる前のできるだけ早い時期から治療をスタートさせます。
治療は、頭蓋骨縫合早期癒合症の場合は手術が必要です。向き癖による変形の場合はヘルメットで形を整える方法があります。
医療機関に通いながら、赤ちゃんの頭の形を矯正した先輩ママ&赤ちゃんの体験談を紹介します。
以前から向き癖と頭のゆがみがあったため、病院を受診したところ、レベル5の重度の斜頭と判明。生後5ヶ月よりヘルメット治療をスタートしました。
現在2ヶ月目ですが、斜頭レベルを5から3に改善することができ、治療を始めて本当によかったです。
●治療前(生後4ヶ月)
変形が進んでいるのでは・・・と不安に感じていた頃。
●治療開始時(生後5ヶ月)
斜頭レベルが5段階中一番重症の5とわかり、治療を決意。
●治療開始6週間後(生後6ヶ月)
治療を開始して6週間でレベル5から3に改善。
●治療開始10週間後(生後7ヶ月)
お風呂以外は、寝ているときもヘルメットを着用し、頭の形を整えています。
生後2〜3ヶ月頃から後頭部の絶壁が気になり始め、生後6ヶ月のときに医師に相談。そこでヘルメット治療を知り、生後8ヶ月から治療を始めました。
治療して2ヶ月後には「変わっている!」と実感。1歳3ヶ月になる頃には治療を卒業できました。
●治療前(生後6ヶ月)
横から見ると「絶壁」なのがとてもよくわかります。
●治療開始時(生後8ヶ月)
大量に汗をかくので肌トラブルが心配に。中のガーゼを頻繁に交換していました。
●治療2ヶ月後(生後10ヶ月)
少しずつ後頭部に丸みが出始め、治療の効果を感じました。
●治療卒業時(生後1歳3ヶ月)
治療前と比べると、後頭部の形がきれいになっているのがわかります。
_______
赤ちゃんの頭の形に違和感があっても、ほとんどの場合は脳の成長などに支障はありません。
ただし、まれに「頭蓋骨縫合早期癒合症」をはじめ、脳の成長を妨げたり、視力低下などをともなう病気である場合も。気になるときは、生後6ヶ月になる前に医療機関に相談しましょう。
記事を読む⇒⇒⇒【斜頭症】の赤ちゃんとは。治療は必要?【小児科医監修】
イラスト/杉井亜希 『Baby-mo(ベビモ)』の内容をウェブ掲載のため再編集しています。※情報は掲載時のものです