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2023.06.23

離乳食の基礎知識

2歳までの鉄不足は脳の発達にも影響が‼ 今すぐやるべき「離乳食期の貧血対策」とは?

妊娠中から2歳のお誕生日を迎えるまでの「最初の1000 日」に、脳は急速に成長します。そこで、乳幼児の脳の成長・発達に欠かせない栄養素が「鉄」です。

「親の鉄についてのリテラシーが高いほど子どもの貧血リスクは減る傾向に。鉄を多く含む食材を知って、毎日とり入れることがたいせつです」と語るのは、子どもの栄養状態の顕在化に取り組んでいる栄養コンサルタント・細川モモさん。

2歳以下での鉄欠乏は脳の発達に影響する原因にも

鉄は、脳に酸素を運ぶヘモグロビンの材料になる栄養素です。

出生時の脳の重量は、半年で約2倍、2歳ごろには約3倍になるといわれ、これほど脳が急速にサイズアップするのは、生涯でこの時期だけです。

赤ちゃんの脳内では、シナプスと呼ばれる部位を介して神経細胞と神経細胞がつながり、猛烈な勢いでネットワークがつくられています。このネットワークづくりに必要なのが酸素で、脳にとって酸素不足は致命的。酸素を運ぶ鉄も不可欠なのです。

最初の1000日(妊娠中〜おおよそ2歳)で鉄が欠乏すると、認知機能や運動機能が遅れる場合があり、その遅れは長期にわたり影響が出ることが報告されています。

また、鉄はセロトニンやドーパミンなどの脳の神経伝達物質の合成にも関わるため、メンタル面にも影響します。子どもがよく泣く、落ち着きがない、ママ自身の気持ちの浮き沈みなども、鉄不足による貧血が影響している可能性があります。
▲DHAとたんぱく質は、脳の材料になる栄養素。鉄は、脳の神経回路の増設に必要な栄養素です。

生後6ヶ月以降、多くの子に貧血リスクが高まる

世界各国では、国策として小麦粉や米など、さまざまな食品への鉄の添加を実施しています。一方、日本ではそういった施策がなく、乳幼児を対象とした貧血の調査も少ないというのが現状です。

近年は、鉄の重要性が少しずつ認識されるようになってきたものの、厚生労働省の発表では、男の子・女の子ともに推奨量に届いていないことがわかります。
成人女性の鉄欠乏性貧血の割合も、欧米諸国では7%未満ですが、日本では15~27%と多いため、ママも要注意。

赤ちゃんは胎児のときに鉄(貯蔵鉄)を蓄えて生まれてきますが、それも生後6ヶ月を過ぎると枯渇し、母乳内の鉄含有量も減少してしまいます。そのため、多くの子どもが鉄欠乏を起こしやすくなります。

特に、早産で胎児のときに鉄をじゅうぶん受け取れない低出生体重児や、貧血があるママの完全母乳育児で離乳食を始めたのが遅い、母乳が大好きで小食、などのケースでは鉄不足のリスクが高くなります。

子どもの貧血リスクを減らすには?

一般的な乳幼児健診では採血はむずかしく、ヘモグロビン値の測定は実施していません。そのため、親は子どもが鉄が不足していても気づかないことが多いです。

ラブテリの調査(「こどもすくよか白書」2019年版)では、76%のママが鉄の重要性を「知っている」と答えているのに、鉄補給のためには「何もしていない」という回答が1位。

一方、鉄が含まれる食材に関する親のリテラシーが高いと、子どもの貧血リスクも低いという結果があらわれていました。貧血を防ぐには「知っている」だけではなく、「実際に鉄を含む食材を食べさせている」ことが大事です。

離乳食は5~6ヶ月で始めて、鉄を含む食材を毎日少しずつでも使いましょう。ゴックン期は、ほうれんそうや小松菜、豆腐、豆乳、卵黄などから鉄補給をスタート。

肉・魚の「ヘム鉄」は、卵・貝類・豆類・野菜の「非ヘム鉄」より吸収率が高いため、赤身の肉や魚が食べられるようになったら、ぜひ積極的にとり入れてください。

ほかには、鉄を強化したベビーフード、粉ミルクやフォローアップミルクを調理にとり入れるのも、手軽な鉄補給の方法です。

離乳食におすすめ! 時期別「鉄を多く含む食材」リスト

ゴックン期(5~6ヶ月ごろ)
※肉・魚はまだ食べられません(白身魚はOK)。

モグモグ期(7~8ヶ月ごろ)
※赤身の魚をとり入れよう!

カミカミ期(9~11ヶ月ごろ)
※貝類は造血成分が豊か。牛肉・豚肉(赤身)はカミカミ期から。レバーはビタミンA を多く含みます。とりすぎに注意しましょう。

パクパク期(1歳~1歳6ヶ月ごろ)
※青背の魚は血合いに鉄が豊富。

【細川モモ・Profile】
医療・健康・食の専門家が所属する「ラブテリトーキョー&ニューヨーク」代表理事。母子の健康向上のため、多数のプロジェクトを手がける。「こども貧血共同研究」「こどもコロナ食事調査」など子どもの栄養状態の顕在化に取り組んでおり、自身も5歳・2歳の姉妹の子育て真っ最中。『成功する子は食べ物が9割』シリーズは、累計17万部を突破。

『成功する子は食べ物が9割 脳と体がすくすく育つ離乳食』


『成功する子は食べ物が9割 脳と体がすくすく育つ離乳食』1,650円(主婦の友社)
装画/上路ナオ子 イラスト/ sayasans

Baby-mo〈ベビモ〉編集部

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