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2023.03.19

育児体験談・インタビュー

赤ちゃんとのコミュニケーションの仕方に悩んだ産後、救ってくれたのが絵本でした|吉田明世さんインタビュー

絵本を読む時間は、バタバタの毎日のなかでも、ほっとひと息つけるひと時。親子にとっては、信頼関係を築くことのできる大切なコミュニケーションの時間でもあります。

そんな絵本とのかかわりについて、「絵本専門士」の資格を持つというフリーアナウンサーの吉田明世さんにインタビュー。絵本選びのポイントや読み聞かせのコツなども教えていただきました。

子育てと働くことのバランスにはいまでも葛藤

4歳の女の子と2歳の男の子の子育てに奮闘しながら、声のプロフェッショナルとしても活躍の場を広げる吉田明世さん。多くの働くママと同じく、仕事と育児の両立は、吉田さんにとってもやはり大きなテーマのひとつです。

「朝6時から放送のラジオ番組でラジオ・パーソナリティをつとめていて、平日は毎朝4時半に家を出る生活です。子どもたちを起こさないように、忍者のように支度をするのですが、ときどき失敗しちゃって。ちょっとした物音でも、子どもってパチッと目を覚ましちゃったりするんですよね」

この世の終わりかというほど泣く子どもたちを背に、心を鬼にしてドアを閉めるのは、ママにとっても胸が引き裂かれる思い。葛藤する気持ちは常にある、と言います。

「本当にこれでいいのかな、10年後に後悔するかもしれない、と思いながら仕事をしています。私の母は専業主婦で、私自身は『お母さんが家にいなくてさびしい』という経験をしたことがほとんどないんですね。

反対に、私の娘と息子は基本的に毎朝、母がいない。仕事とはいえ、イレギュラーな状況ですよね。子どもたちの心に与える負担は計り知れないけれど、私はそのさびしさを本当にはわかってあげられなくて。それでも、私は仕事をするのが楽しくて好きだし、働く姿から何かを感じてもらえたら、という思いもあります。

だから、仕事と子どもの時間とのバランスは、常に葛藤しながらですね。たぶん、どのバランスにしても『これでいいのかな』という迷いは出てくるものかな、とも思います。答えが出ない悩みですね」

ただ、そんな朝のお見送りにも、最近変化があらわれているそう。

「娘が起きてきたときには、私の出勤後に家のカギを閉めるという任務をお願いしたんです。そうしたら『ママ、お仕事がんばってね』と笑顔で送り出してくれるようになって。

息子はやっぱり泣きますが、そんなときは目を見てお話をします。『ママはこれからお仕事行ってくるから、このあともう一回寝て、パパと朝ごはんを食べて、元気に保育園に行ってね』って。

こんなふうに伝えると、『わかった、気をつけてね』って手を振ってお見送りしてくれます。きっとさびしい気持ちはなくならないと思うけれど、その気持ちを自分のなかに抱えて、ママを送り出してくれる。二人の成長を感じます」

どんなことも言葉できちんと伝えるのは、吉田さんが子育てで大切にしていることのひとつです。

「まだ赤ちゃんだから言葉で伝えてもわからない、ぎゅっと抱きしめれば安心する。そう考えていた時期もありましたが、子どもも一人の人間。一人一人違う人格があって、考えがあるんですよね。

特に保育士の資格を取得してからは、子どもの人格を尊重して、ちゃんとお話しすることが大切だなという考えが強くなりました。

どうしてママは仕事に行くのか、どうして朝早くからいないのか、お迎えが遅くなる日があるのか。子どもが疑問に思ったことには、にごさずにていねいに答えることを心がけています」

こうした育児の方針も、子育てするなかでだんだんと形作られてきたもの。二人目育児になり、より楽観的に子育てをできるようになってきた、と話します。

「娘のときは、発達をほかの子と比べて悩んだことも。でも、性格も成長スピードも、個性がありますよね。深く考えすぎず、『元気に育ってくれたらOK』というくらいのおおらかさでいいのかも。子どもはママの不安に敏感だから、なるべくどっしり構えたお母さんでいたいな、と思っています」

赤ちゃんと同じ絵本を見ることで救われた新米ママ時代

「赤ちゃん時代って振り返るとあっという間。でも、まだおしゃべりもできない赤ちゃんと向かい合っていたときって、時間がすごくゆっくり流れているように感じていたんですよね。

話しかけてもこたえてくれるわけではないし、どうやって遊んであげたらいいんだろう、何をして過ごしたらいいのかなって」

お世話以外の時間に、赤ちゃんにしてあげられることのバリエーションがない!これはきっと多くの新米ママが感じることかもしれません。

「だんだん起きている時間も長くなってくるから、何か楽しませてあげたい。でも、ずっとベビーマッサージをしているわけにもいかない。

そんなとき、親子で同じ絵本を見るというのがすごくよかったんです。共通の話題ができる、というのかな。赤ちゃんは話さないから話題ではないけれど……(笑)。私自身が、絵本に救われていましたね」

吉田さんが赤ちゃんに絵本を読みはじめたのは、生後3ヶ月のころから。まだ反応はないころから、ごろんと横になっていっしょに絵本をながめていたそう。

「まついのりこさんの『じゃあじゃあびりびり』、松谷みよ子さんの『いないいないばあ』、それから柳原良平さんの『かおかおどんなかお』などは、本当によく読みました。

愛され続けるロングセラーの絵本を見ていると、いつの時代も、どんなに技術が発達しても、赤ちゃんって同じ状態で生まれてくるし、赤ちゃんが好きなものって変わらないんだな、なんてことを思います。それが絵本のよさでもありますね」

赤ちゃんに人気の絵本には、くり返しの展開や言葉のリズムの楽しさなど、共通する特徴があるようです。

「『いないいないばあ』のように、登場するキャラクターは変わっても展開は同じ、というお話が赤ちゃんは大好き。赤ちゃんも次の展開を予想して、思ったとおりになることに喜びを感じるんだそうです。

それから、子どもたちは読めば読むほどその一冊が好きになりますね。結末を知っていても、何度でも楽しめる。そして何回も読むうちに、登場キャラクターの表情の変化など、言葉では表現されていないことにも気づいて、教えてくれたりします。

親はつい文字を追いかけることに集中してしまいますが、絵を見て発見したことを自由に話し合いながら読むのも楽しいですね」

そうした会話のなかで、子どもの性格や感性を感じる瞬間も。

「『ママだいすき』という動物の親子が描かれている絵本を読んでいたとき、娘が『この子だけ、おっぱい飲めてないよ、かわいそうだね』って指さしたんです。豚のお母さんと子豚のシーンで、確かに転んでおっぱいを飲めていない子がいて。娘のやさしさを感じて、うれしくなった瞬間でした。

こんなふうに、絵本って直接的には言わないけれど、いろいろなことを子どもに伝えて、教えてくれるものでもありますね。親が口で言っても伝わらないことも、絵本を通して子どもが気づいてくれることってたくさんあります。

勇気をもって一歩踏み出してね、困っている人がいたら手伝ってね、やさしい気持ちをもってね。そういうことを伝えられるのが絵本。心の成長にもつながりますね」

吉田さんの「絵本選びのポイント」

①くり返しが楽しい絵本

同じ展開が続く「くり返し」にハマります。

②イラストに注目!

絵から受ける第一印象でビビッとくるものを。


③ママが好きだった一冊

名作絵本は、世代をつなぐバトンのひとつ。

吉田さん流「読み聞かせのコツ」

①文字どおりに読まなくてもOK

気づいたことを自由に話し合うのも楽しい!

②同じ本をくり返し
何度読んでもあきないのが絵本のいいところ。

③表情をまねっこ
登場人物になりきって。赤ちゃんもまねするかも!

夫婦合作で絵本を制作!言葉の楽しさがあふれる一冊に

第一子の産休中に保育士の資格を、出産後に絵本専門士の資格を取得した吉田さん。自分の作った絵本で読み聞かせをしたい、という夢を抱いてきました。

昨年末、その夢をついに実現!『はやくちよこれいと』が出版されました。お話はなんと夫婦合作です。

「私はアナウンサー、夫は広告クリエイター、二人とも日々言葉に向き合って、言葉の大切さを感じています。

言葉で傷つくこともあれば、救われることもある。SNSにもさまざまな言葉があふれるいまだからこそ、子どもたちには言葉の力を感じて、理解して、大人になってほしい。言葉がテーマの絵本にしよう、ということはすぐに決まりました」

そこで選んだのが、歌舞伎の演目のひとつである「外郎売(ういろううり)」です。「ぶぐばぐ ぶぐばぐ みぶぐばぐ」ではじまる長ゼリフは、アナウンサーの研修にも使われています。

声のプロである吉田さんだからこその発想で、外郎売を現代版にアレンジ!リズミカルでおもしろくて、でもちょっとむずかしくて何度も挑戦したくなる、そんな早口言葉の絵本が完成しました。

「うまく読めないところがあってもだいじょうぶ。それもひとつの発見として楽しんでもらいたいな、と思います。それに、子どもの言い間違いって、かわいくてたまらないですよね。この絵本を通して、大人も子どもも言い間違いのかわいさ、楽しさをまずは存分に味わって。

くり返し読んでいるうちに、最初はつっかえていたところもだんだんとスラスラ読めるようになってきます。練習して上達する喜びも感じてもらえたらうれしいです! 」

親子で楽しむ早口絵本『はやくちよこれいと』

遠い不思議の国からチョコレートの魔神がやってきた! 魔神が持っている「はやくちよこれいと」をひと粒食べれば、楽しくてむずかしい言葉遊びのはじまりです。親子でリズミカルな早口言葉を楽しんで。
●『はやくちよこれいと』作・吉田明世 カタスケ /絵・今津良樹(インプレス刊) 1,540 円

吉田明世さんProfile
1988年東京都生まれ。2011年にTBSにアナウンサーとして入社し、数多くの人気番組を担当。19年よりフリーアナウンサーとなり、ラジオ、テレビ、イベント出演、モデルなど多彩に活躍。保育士、絵本専門士の資格ももつ。4歳の女の子と2歳の男の子のママ。

『Baby-mo 2023春夏号』 好評発売中!

『Baby-mo』2023春夏号では、今回の吉田明世さんインタビューのほか、1ヶ月~1歳6ヶ月までのベビーの24時間スケジュールと、月齢別みんなのすくすく成長ダイアリーを大特集!赤ちゃんの成長やお世話のポイントをじっくり解説します。ぜひご覧ください♡


撮影/廣江雅美 スタイリング/小川貴子 ヘア&メイク/渋谷絵里奈 取材・文/浦上藍子

『Baby-mo』の内容をウェブ掲載のため再編集しています。※情報は掲載時のものです

Baby-mo〈ベビモ〉編集部

「Baby-mo(ベビモ)」は主婦の友社が運営する、妊娠・出産・育児の公式情報サイトです。妊娠期の不安、出産準備、赤ちゃんの成長、離乳食レシピ、産後の悩みまで。はじめてママ・パパに寄り添う情報を提供します。➤ 雑誌の最新号・バックナンバーはこちら 

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