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2023.01.06

メンタルケア

精神科医が指摘!イヤイヤ期がない子は危ない!?赤ちゃん時代に親がやるべきこととは?

精神科医で産業医の井上智介氏によれば、近ごろ増えているのが、幼児や小学生の子どもを育てるパパ&ママからの相談。

育児に疲れ果て、「つい子どもにイライラして怒ってしまう」「正直手をあげてしまうこともある」と打ち明け、どの人も「自分は毒親かもしれない」と悩んでいるのだとか。
 
では、愛すべき子どもに対して、なぜ毒親になってしまうのか、自分が毒親にならないためにはどうすればいいのでしょうか?井上氏の著書『毒親になりそうなとき読んでほしい本』より、そのヒントを連載でご紹介します。

前回は、毒親にならないために守るべきルールをお伝えしました。

➤➤毒親にならないために守るべきたった一つのこと。子育てにおける絶対ルールとは!?

今回は、赤ちゃん時代に親が心がけるべきことついてのお話です。

0~ 1 歳は親子の愛着関係をつくる時期

親子の信頼関係や愛着関係を築くには、子どもの気持ちや考えに関心をもって耳を傾けることが大切です。それは基本的に、生まれてからイヤイヤ期前後の2歳くらいまでにできているのが理想です。

関係づくりのスタートは、とにもかくにも親が受け入れることです。特に赤ちゃん時代は、大人が思いどおりにできない時期です。こちらがAを求めても、全然Aと返してくれません。言葉での疎通もできませんが、親のほうから赤ちゃんの気持ちをくみとって、言葉に出して共感してあげましょう。

赤ちゃんが泣いていたら、痛かったね、寒かったね、あるいは大きい音でびっくりしたね、そういう言葉に出して、共感して赤ちゃんの気持ちを受け入れてあげると、子どもはすごく安心します。

そして子どもが泣いたら、あやしたり、スキンシップをとったりして受け入れてください。赤ちゃんが欲しているものを、こちらから提供していくということです。

もちろん、それがはずれることもあるでしょうが、それ以上に赤ちゃんにとっては自分が泣いたら、なんとかしてくれる人がいることのほうが大事です。それは赤ちゃんに必ず伝わります。

赤ちゃんが、いちばんこわいのは、泣いてもほうっておかれることです。極端な話では死んでしまう可能性もありますから、実際におなかがすいても何も食べさせてくれない、おむつがぬれていても誰もかえてくれない、自分のために動いてくれる大人がいないことは、とてもこわいことなのです。

でもその不快をなんとかしてくれる、解除してくれる人がいるとわかると安心できます。その繰り返しによって、自分のことをわかってくれているんだ、と赤ちゃんなりに人間を信用していくことができるのです。

スキンシップで愛着関係を強固に

スキンシップはとても大切です。事あるごとにというと大げさかもしれませんが、たくさんするに越したことはありません。赤ちゃんを抱っこしすぎると、抱きぐせがつくといわれることもありますが、基本的に赤ちゃんが泣いたら、抱っこしてあげてください。

赤ちゃんが泣くときは赤ちゃんなりに不快な思いがあって、泣いているわけです。そのときに抱いてあやすというのは、しごく真っ当なことであり、赤ちゃんとしてもとても落ち着きます。

ちなみにスキンシップは何歳まででもOKですが、健全に育っていけば反抗期ごろには勝手に子どものほうから離れていきます。そのときに子どもが離れられるように、幼児期にしっかりとスキンシップをして愛着関係をつくっておくことが大事なのです。

子どもを一人の人間として尊重する

赤ちゃんのころから、一人の人間として尊重することが大切です。もちろん、言葉で意思疎通できるようになってからも、未熟なところもありますが、まず本人がこうしたいという考えや気持ちを理解して、受け入れてあげましょう。

子どもが急に走りだしても「走らない!」と怒るのではなく、急に走りたくなった気持ちを考えて、親は「楽しくなっちゃったのかな」と子どもの気持ちに共感してあげたうえで、「急に走ると危ないよ。床が滑りやすくなっているから」と理由を含めて教えてあげてください。

こういうときはどうしたらいいかを、子ども自身が考えられるような接し方をするということです。

そもそも人は生まれたときから生存欲求がありますから、子どもは欲求ベースで行動したり、考えたりしています。それが通らないと泣き叫ぶこともありますが、その欲求があること自体が大切です。だから親は、そこの気持ちをまず受け入れてあげてください。

親の価値観だけでダメダメと子どもの欲求を退けていると、やがて子どもはすべてにおいて拒否される、何を言ってもダメだ、と感じて親の顔色だけをうかがうようになってしまいます。

子どもが欲求すら言えないなら、かかわり方を見直さないといけません。子どもが相手だとできなくなる人も多いですが、子どもであっても大人と同じように、一人の人間として尊重するということを意識してください。

毒親の子はイヤイヤ期と反抗期がない

イヤイヤ期と反抗期、子どもの成長過程において、この2つがないのは、かなり危険です。イヤイヤ期というのは、子どもが2、3歳のころに、あれもイヤ、これもイヤ、とダダをこねる時期。

なぜイヤイヤ言うのかというと、いくらイヤイヤ言っても、親がなんとかしてくれるとわかっているからです。これは子どもの安全基地ができている証拠。

子どもがイヤイヤ言わないとしたら、イヤイヤ言うと、どこかにほうり出されるかもしれないし、ごはんを与えてもらえないかもしれない、と子どもなりに命の危機を感じているのです。

実際、0歳や1歳の段階から、親から愛情を与えられていない子は、親の顔色をうかがうのに必死で、イヤイヤという自分の欲求に蓋をしています。

たまに「うちはイヤイヤ期もなくて、手がかからなくていい子だった」と喜んでいる親御さんがいますが、そういう話を聞くとドキッとします。

一方、小学校高学年から高校生までの思春期と、ほぼ同時期に起きる反抗期は、子どもが親から精神的に独り立ちするために必要な期間です。乳幼児期は心も体も親と一体化していますが、3、4歳くらいになると、だんだんと体の自由は手に入る一方、心はまだ親と一体化している状態です。

子どもからすると、親の経済力や生活力にはかなわないので、どうしても精神的な上下関係というのがあります。その状態が反抗期までつづきます。

そして反抗期を迎えて初めて、精神的な独り立ちが起きて、いままでの上下関係が壊されてフラットになります。子どもが小学校低学年のころは、親と過ごす時間が多かったけれど、高学年になると友達や自分一人で過ごす時間が増えていきます。それは親のコントロールから抜け出して、精神的な自立に向かっていく過程だからです。

ですから反抗期がなければ、親と精神的につながったまま。独り立ちもできない状態なので、けっしてよくありません。反抗期がないのはほかでもなく、家庭内の緊張が高くて、とても反抗できない状態だからです。反抗したらこわい目にあうという恐怖感にしばられています。

たとえば、ふだんから100点満点ではなく90点だと怒られるような完璧主義の親だと、こわくて反抗なんてできないわけです。
__________

親子の愛着関係は、親が子どもを受け入れることから始まります。一人の人間として尊重し、気持ちをいったん受け入れることで、子どもは大人を信頼するようになることをぜひ知っておいて。

『子育てで毒親になりそうなとき読んでほしい本』

子育てというのは、大きな喜びをもたらしてくれる一方で、実にストレスフルなもの。誰もが毒親になる可能性を秘めています。

この本では、自分が毒親化していると気づいた人が呪縛から脱し、わが子に向き合い、自分らしく生きていくためのステップを、精神科医の井上智介氏がアドバイス!

Baby-mo〈ベビモ〉編集部

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