ビタミンほか、鉄分やカルシウムなど赤ちゃんの成長に必要な栄養が詰まったほうれん草は、離乳食でも積極的に活用したい食材。ただ、えぐみや繊維が多いため、赤ちゃんが嫌がってしまうことも。ここで紹介する下ごしらえのコツやレシピを参考に、食べやすく調理してあげましょう。
離乳食に使うほうれん草はいつから食べられる?
生後5~6ヶ月頃(離乳食初期・ゴックン期)から食べられます。ただ、茎は繊維が多いので、生後7~8ヶ月頃(離乳食中期・モグモグ期)までは葉の部分のみ使います。
生後9~11ヶ月頃(離乳食後期・カミカミ期)以降は茎も食べさせてOKですが、やわらかくゆで、細かく刻んで使いましょう。
離乳食に使うほうれん草の選び方は?
葉の色が濃く、葉先がピンとしてみずみずしいものを選んで。葉先から傷むので、新鮮なうちに調理をしましょう。
ほうれん草に含まれる栄養素は?
栄養価が高く、ビタミンはもちろん、鉄やカルシウムなどのミネラルも豊富。しっかり食べることで、貧血を防ぎ、骨や歯を丈夫にする効果が期待できます。繊維が苦手な赤ちゃんも多いので、とろみをつけるなど、工夫をしましょう。
離乳食で使うほうれん草の量と形状は?
生後5~6ヶ月頃(離乳食初期・ゴックン期)
ほうれん草の葉先のみ使う。やわらかくゆでて裏ごしするか、すりつぶし、とろみをつける。
生後7~8ヶ月頃(離乳食中期・モグモグ期)
ほうれん草の葉先のみ使う。やわらかくゆでて2㎜大に刻み、とろみをつける。
生後9~11ヶ月頃(離乳食後期・カミカミ期)
ほうれん草の葉と茎を使う。やわらかくゆでて5㎜大に刻み、とろみをつける。
1歳~1歳6ヶ月頃(離乳食完了期・パクパク期)
ほうれん草の葉と茎を使う。やわらかくゆでて5㎜~1㎝大に刻む。
離乳食で使うほうれん草の調理のポイントは?
1 根元の泥をよく洗い流す
調理の前にボウルに水をため、根元をしばらくつけておくと、水を吸って葉がピンとよみがえります。根元の茎の間には泥がたまっているので、広げてよく洗いましょう。
2 下ゆでをしてアクを抜く
ほうれん草にはえぐみのもとになるシュウ酸が含まれているので、これを除くための下ゆでが必要です。熱湯で大人が食べるときよりも長めにゆで、水にとってからよくしぼります。おかゆに使ったり、炒めたりするときも、この下処理が必要です。
3 繊維が残らないようにすりつぶす
生後5~6ヶ月頃(離乳食初期・ゴックン期)は、ゆでた葉先を、繊維が残らないようにすりつぶします。棒状に冷凍してからすりおろす方法(詳しくは後述の「冷凍保存法」を参照)もおすすめ。ひと手間をかけてあげると完食率もアップ!
4 モグモグ期までは葉先を刻む
生後5~6ヶ月頃(離乳食初期・ゴックン期)、生後7~8ヶ月頃(離乳食中期・モグモグ期)はやわらかい葉先のみ。茎は生後9~11ヶ月頃(離乳食後期・カミカミ期)以降は、細かく刻みましょう。離乳食期の赤ちゃんにとって繊維は食べにくいので、食べやすく調理してあげて。
離乳食で使うほうれん草の冷凍保存法は?
生後5~6ヶ月頃(離乳食初期・ゴックン期)はゆでて棒状に包み、冷凍しておくと便利。使うときは、凍ったまま葉先をすりおろせば、裏ごしの手間もいりません。
生後7~8ヶ月頃(離乳食中期・モグモグ期)以降は、細かく刻んでラップに包む(写真上)か、シリコンカップに入れて(写真下)冷凍を。
先輩ママ発!ほうれん草の調理&冷凍保存テク
●冷凍ほうれん草は、葉先だけを取り出せて使いやすい市販の「冷凍カットほうれん草」は、パラパラにほぐれているので、離乳食初期や中期に必要な「葉先の部分」だけをつまんで出すことができて便利。下ゆでも不要なので、ラクチンです!(Yママ・生後6カ月の女の子)
ほうれん草を使ったおすすめ離乳食レシピ8品
生後5~6ヶ月頃(離乳食初期・ゴックン期)のほうれん草離乳食レシピ
●ほうれん草とかぼちゃピューレ〈材料〉
ほうれん草の葉・・・5g(大1枚)
かぼちゃ・・・10g(2㎝角1個)
豆乳・・・小さじ1
水・・・小さじ1/4
〈作り方〉
1 ほうれん草はやわらかくゆでて刻み、なめらかにすりつぶし、水でのばす。
2 かぼちゃは皮と種を除いてやわらかくゆで、裏ごしし、豆乳でのばす。
3 器に②を敷き、①をのせ、混ぜながら食べさせる。
●ほうれん草の高野豆腐がゆ〈材料〉
ほうれん草の葉・・・10g(大2枚)
10倍がゆ・・・30g(大さじ2)
高野豆腐のすりおろし・・・小さじ1
※10倍がゆは米1:水10(ごはん1:水9)で炊いたもの
〈作り方〉
1 ほうれん草はやわらかくゆでて刻み、なめらかにすりつぶす。
2 ①に10倍がゆを加え、さらになめらかにすりつぶし、高野豆腐を加えて混ぜる。
3 耐熱容器に②を入れてラップをかけ、電子レンジで約20秒加熱する。
生後7~8ヶ月頃(離乳食中期・モグモグ期)のほうれん草離乳食レシピ
●ほうれん草の黄身がゆ〈材料〉
ほうれん草の葉・・・15g(大3枚)
7倍がゆ・・・50g(大さじ3強)
卵黄(かたゆで卵の黄身)・・・1/2個
※7倍がゆは米1:水7(ごはん1:水6)で炊いたもの。
〈作り方〉
1 ほうれん草はさっとゆで、細かく刻む。
2 鍋に7倍がゆ、①を入れて弱火で熱し、かたゆで卵の黄身をくずして加え、よく混ぜる。
●ほうれん草のコーンあえほうれん草の葉・・・10g(大2枚)
クリームコーン・・・10g(小さじ2)
〈作り方〉
1 ほうれん草はやわらかくゆで、細かく刻む。
2 クリームコーンは裏ごしする。
3 ①と②を合わせ、なめらかに混ぜる。
生後9~11ヶ月頃(離乳食後期・カミカミ期)のほうれん草離乳食レシピ
●ほうれん草とさつまいものグラタン〈材料〉
ほうれん草・・・10g(1/3株)
さつまいも・・・80g
ホワイトソース(ベビーフード)・・・大さじ2
粉チーズ・・・少々
〈作り方〉
1 ほうれん草はやわらかくゆでて、粗みじん切りにする。さつまいもはやわらかくゆでて、皮をむいてすりつぶす。
2 ①、ホワイトソースを混ぜて耐熱容器に盛り、粉チーズを振る。
3 オーブントースターでこんがりと焼き色がつくまで焼く。
●ミルクベジパンケーキ〈材料〉
ほうれん草・・・20g(2/3株)
ホットケーキミックス・・・大さじ4
牛乳・・・大さじ2
植物油・・・少々
〈作り方〉
1 ほうれん草はやわらかくゆで、水にさらし、粗熱がとれたら水気をしっかりしぼって刻む。
2 ボウルにホットケーキミックス、①、牛乳を入れてよく混ぜる。
3 フライパンに植物油を中火で熱し、③を流し入れ、火を少し弱めて5分ほどかけて両面を焼く。食べやすい大きさにカットする。
生後1歳~1歳6ヶ月頃(離乳食完了期・パクパク期)のほうれん草離乳食レシピ
●ほうれん草のおかかパスタ〈材料〉
ほうれん草・・・30g(1株)
スパゲティ・・・30g
かつおぶし・・・2g
オリーブ油・・・適量
〈作り方〉
1 ほうれん草はやわらかくゆで、2㎝長さに切る。
2 スパゲティは2~3㎝長さに折り、表示より少し長めにやわらかくゆでる。
3 フライパンにオリーブ油を中火で熱し、①、②を入れてさっといため、かつおぶしを加えてあえる。
●ほうれん草とひき肉のキムパ風〈材料〉
ほうれん草・・・30g(1株)
鶏ひき肉・・・20g(大さじ1強)
A
酒・・・小さじ1/4
塩・・・少々
ごはん・・・80g
のり(全形)・・・2/3枚
ごま油・・・少々
〈作り方〉
1 ほうれん草はやわらかくゆで、細かく刻む。
2 フライパンにごま油を中火で熱し、ひき肉をいため、Aを加えて汁気がなくなるまでいためる。
3 ごはんに①、②を加えて混ぜる。のりを広げて手前にごはんをのせ、くるくると巻いて食べやすく切る。
苦手意識を克服!ほうれん草を食べやすくするコツ
●ヨーグルト+バナナと混ぜてえぐみを軽減
ほうれん草だけだと苦手そうですが、すりおろしたものをヨーグルトに混ぜると、嫌がらず食べてくれます。バナナも入れて甘くするとさらに食欲アップ!(Tママ・生後6カ月の男の子)
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どの月齢のときも、しっかりアクを取り除くことと、やわらかくゆで、すりつぶしたり、刻んだりする工程が大切です。また、赤ちゃんが味を嫌がる場合は、甘い食材と組み合わせるなどして、食べやすくしましょう。栄養価が高い食材なので、コンスタントに取り入れていきましょう。
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離乳食でさば缶を食べられるのはいつから?ビタミンD不足解消にも。離乳食後期&完了期のおすすめレシピ4品●電子レンジは表記がないものはすべて600Wを使用しています。500Wの場合は加熱時間を1.2倍してください。●小さじ1は5㎖、大さじ1は15㎖、1カップは200㎖です。●材料は特に表記のない場合、赤ちゃん1回分です。●材料の分量は、皮や種を除いた可食部の重さをあらわしています。