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2022.04.18

妊娠中のトラブル

【医師監修】妊娠後期の便秘。解消法は?薬は飲める?臨月妊婦のお悩みに産婦人科医と先輩ママがアドバイス!

「もともと便秘ぎみの人はさらに便秘に。快便の人も便秘に」。妊娠中は、全期間を通して便秘をしやすくなります。妊娠後期や臨月になるとさらに症状がひどくなる場合があります。「トイレでいきむのが怖い」「出産前に便秘を解消しておきたい」とたくさんの人が悩んでいる妊娠後期の便秘。今回は産婦人科医の天神尚子先生監修のもと、妊娠後期の便秘対策と解消法をお伝えします。

どうして妊婦は便秘になりやすいの?

妊娠すると、妊娠を継続するために必要なプロゲステロンというホルモンが大量に分泌されます。このホルモンにはさまざまな作用がありますが、そのなかの1つに<腸の動きを鈍くする>働きがあります。そのため、妊娠すると便秘をしやすくなるのです。

妊娠後期はさらに便秘になりやすい!

妊娠すると便秘をしやすくなるのは、プロゲステロンというホルモンが原因になっていることはお話しました。プロゲステロンの分泌量は妊娠週数が進むにつれて増えるため、妊娠後期になるとますます便秘になりやすくなります。さらに、妊娠後期は下記のような便秘の要因が重なります。

大きくなった子宮が腸を圧迫する
妊娠週数が進み、子宮が大きくなるにつれて腸が圧迫されて便が停滞します。※分娩直前になると胎児が下に降りるため、急に圧迫がなくなり腸の動きがよくなったり、食欲が増したりすることがあります。

運動不足、生活リズムの乱れ
お腹が大きくなるにつれて動きにくくなり、運動不足になることで便秘しやすくなります。

また、妊娠中も仕事を続けていた妊婦さんの場合、妊娠後期になると多くは産休に入ります。産休に入ると運動不足になる、早寝早起きなど規則正しい生活リズムが乱れがちになるなどの理由で便秘になる人もいます。

ストレスや疲労
妊娠後期に入り出産が近づくと、分娩への不安がストレスとなったり、睡眠不足になって疲労がたまりやすくなったりします。これにより自律神経が乱れて便秘になる場合もあります。

妊娠後期の便秘の特徴。痔との関係は?

妊娠後期に便秘になると、
硬くてコロコロした便になる
いきんでも出なくなる、お腹が張ってくる
残便感がある
といった症状が出てきます。

なかには、便秘かどうか自分でわからない人もいますが、ポイントは今あげた3つです。反対に2~3日に1回でもスムーズな排便があり、お腹が苦しくないようなら問題ないでしょう。

妊娠後期の便秘と痔の関係

妊娠後期の便秘は、痔を引き起こすこともあります。便が腸内に長くとどまっていると、便の水分が少なくなって硬くなります。こうなると排便時にいきむことが増え、肛門が切れて切れ痔になってしまいます。

また、妊娠中は大きくなった子宮に圧迫され、肛門周辺の血流が悪くなることが原因でいぼ痔ができることもあります。いぼ痔自体は痛みを感じませんが、便秘で硬くなった便に圧迫されてつぶれる、肛門の外に出るといったことが起こると痛みがあったり、出血したりすることもあります。

妊娠後期の便秘解消法はコレ!

妊娠後期になると体重管理のために食事の量を調節していたり、お腹が大きくなって運動しにくくなったりすることも多いでしょう。そんななかでもできる便秘解消法としては次のようなものがあります。

➀水分補給をして食事は食物繊維を多くとる

水分不足になると、便がさらに硬くなってしまいます。まずは朝起きたらコップ一杯の水を飲みましょう。1日の中でも、こまめに水分をとるように意識してください。

さらに味噌汁や温かいスープなど、食事からも水分をとるようにしましょう。また、食事では食物繊維が多い野菜などを多めにとりましょう。1日3回、規則正しく食べることも大切です。

②食物繊維は「不溶性」と「水溶性」をバランスよくとる

食物繊維をとる際に気をつけたいのは、「不溶性食物繊維」と「水溶性食物繊維」をバランスよくとることです。

不溶性食物繊維は、便のかさをふやして腸を刺激し、腸のぜん動運動(腸の内容物を移動させる動き)を活発にします。不溶性食物繊維を多く含む食品は、
キャベツ
レタス
ほうれん草
たけのこ
きのこ類
大豆
などです。

水溶性食物繊維は、水に溶けてゲル状になる性質があるため、便をやわらかくして滑りをよくし、排泄を促してくれます。

また、腸内で善玉菌を増やす働きもあります。善玉菌には整腸作用があるため、便秘改善につながります。腸内水溶性食物繊維を多く含む食品は、
わかめ、昆布などの海藻類
ひじき
大麦
らっきょう
などです。

不溶性食物繊維と水溶性食物繊維の両方を多く含む食品もあります。
ごぼう
にんじん
じゃがいも
アボカド
納豆
なめこ
キウイフルーツ
ブルーベリー
などがあります。これらの食品を多めにとれる食事を心がけてみましょう。

③可能な範囲でストレッチなどの運動を

妊娠後期になるとますますお腹が大きくなり、体を動かすことが億劫になりがちです。体調がいいときには歩いたり、室内でストレッチをしたりするなど、無理のない範囲で体を動かしましょう。

記事を読む⇒⇒⇒妊娠後期の腰痛と便秘に!ヒップリフト&ベリーダンスエクササイズ【おしり筋トレ#5】

妊娠後期や臨月に便秘薬は使える?

水分をとり、食事を変え、体を動かしても便が出ないときは、無理して頑張らなくても大丈夫。産院で妊婦さんでも飲める便秘薬を処方してもらいましょう。

産院に行けないときは、薬局で妊娠していることを告げれば、妊婦さんでも服用できる薬を選んでくれます。薬を飲むことに抵抗がある妊婦さんもいるようですが、便秘をそのままにしておくほうがずっとよくありません。

便秘による赤ちゃんへの影響は?いきんでも大丈夫?

「便秘をすると赤ちゃんがお腹の中で圧迫されて苦しいのでは?」と心配になる人もいるかもしれませんが、便秘そのものが赤ちゃんに悪影響を及ぼすことはありません。赤ちゃんは子宮の中で羊水に浮かんで、外部の圧迫からしっかり守られているので安心してくださいね。

ただし、いきむのはおすすめできません。いきむと腹圧がかかり、それによって切迫早産になる可能性があるためです。臨月の場合は破水してしまうこともありますし、排便時にいきむのを繰り返すことで痔になるリスクも高くなります。

便秘を軽くみてはいけません!放っておくのはNG

便秘そのものがお腹の赤ちゃんに影響がないからといって、ずっと排便がないまま放っておくことだけはしないでください。なぜなら、ひどい便秘になるとお腹の張りと便秘によるお腹の痛みとの区別がつかなくなり、妊娠中のトラブルに気づけない場合もあるからです。自分で判断できないときは、遠慮せずに産院で診察してもらいましょう。

便秘のままだと、出産時に出ちゃうことがあるって本当?

「出産のときにうんちも一緒に出ちゃう」という話を聞いたことがあるかもしれませんが、これは本当。

産道は便の通り道に近いために、いきんだときに一緒に出てしまうことがあるのです。陣痛のいきみ方は排便時のいきみ方とほぼ同じなので、仕方がないことです。

昔はほとんどの産院で出産時に浣腸をして赤ちゃんが産道を通りやすくしていましたが、現在では浣腸をする産院は少数派のようです。

出産時に便も一緒に出てしまうのは、ドクターや助産師にとってはよくあることなので、気にしすぎないでくださいね。

出産したら便秘はおさまる?

出産したら便秘はおさまるのか?と思いきや、実は、産後も便秘が続く人は多くいます。一番の原因は骨盤底筋がゆるむこと。

骨盤底筋とは骨盤を支える筋肉で、臓器を支えたり、排便や排尿のコントロールをしたりしています。骨盤底筋は妊娠期間を通して子宮を支え続けることで伸びてしまい、産後、便を押し出す力が弱まって便秘になりやすいといわれています。

帝王切開や会陰切開の傷、水分不足も便秘の原因に

他にも、出産時に帝王切開や会陰切開をした場合、傷口が傷んだり広がったりすることへの不安から便意を我慢してしまい、便秘になることもあります。

また、産後は授乳による水分不足や、赤ちゃんのお世話が忙しくてタイミングよくトイレに行けないこともあり、これも便秘の原因になります。

産後のママは昼夜問わず赤ちゃんのお世話に追われ、自分のことを後回しにしてしまいがち。けれど、忙しい中でも水分を意識してとって、トイレは我慢しないこと。食事の時間もきちんと確保してしっかり食べましょう。

先輩ママの、妊娠後期の便秘体験談

便秘とは無縁だったのに、週数が進むごとに…出ない!(F・Sさん/36歳)

妊娠前は快便で、便秘とは無縁でした。それなのに、妊娠してしばらくすると便が出ない!それどころか週数が進み、妊娠後期になるとさらに出なくなりました。3日以上出ないと辛くて、やっと出ても便が硬いんです。妊娠後期でお腹が大きくなるにつれ、ますますお腹が苦しくなりました。

できるだけ薬には頼りたくなかったのですが、後期になってからは産院の先生に相談して、妊婦でも飲める便秘薬を処方してもらいました。薬を飲んだらあっけなく出て、こんなにラクになるんだったら早く処方してもらえばよかった…と思いました。

便秘が原因で痔に!恥ずかしくて誰にも言えなかった(N・Sさん/31歳)

妊娠後期になるにつれ、便がコロコロと小さく硬くなり、まるで鹿の糞みたい。硬い便を必死に踏ん張って出したせいで痔になってしまいました(泣)。

恥ずかしくてしばらくは誰にも言えませんでしたが、お産のときに痔が悪化してしまうと聞き、先生に相談。産科で軟膏を処方してもらったら落ち着きました。でも便秘は続いたので、たくさん水分をとり、必要に応じて便秘薬を処方してもらい、なんとかお産を乗り切りました!

1週間出ないこともザラ。排便後は体重1キロ減!(Y・Hさん/33歳)

妊娠初期から便秘に悩まされ、出産まで続きました。1週間出ないこともザラで、食事を変えても何をしてもピクリとも便意がない状態。「もう無理!」とあきらめて便秘薬を処方してもらい、週に1回まとめて出していました。

妊娠後期は大きくなったお腹と溜まった便で常にお腹が苦しく、「このお腹の中には赤ちゃんが入っているの?それともうんちなの?」と思うほど。便秘薬でまとめて排便した後、体重を測ったら1キロも減っていたことがあり、本気で「赤ちゃんは苦しくなかったのかしら」と心配しました。

先生に相談して便秘薬を処方してもらいました(Aさん/2人のママ)

妊娠8ヶ月頃から産後まで便秘が続きました。1人目のときは妊娠9ヶ月から1ヶ月間、切迫早産で入院していたころで、先生に相談して便秘薬を処方してもらいました。水分をなるべく多くとるように心がけ、産後も便秘気味ですが、妊娠時よりは改善されています。

無糖の炭酸水をたくさん飲むようにしました(Hさん/4人のママ)

妊娠8ヶ月から妊娠後期の便秘になり、3日出ないことも。妊娠後期でもつわりがひどかったこともあり、無糖の炭酸水をたくさん飲むようにしました。産後4日間も便秘で、産院で便秘薬を処方してもらいました。退院後は解消されました!

2リットルの水分、ヨーグルト、温野菜などを試しました(Nさん/3人のママ)

つわりが終わり、食べられるようになった妊娠5ヶ月頃から便秘が気になり始めました。1日2リットルを目安に水分をとり、ヨーグルト、ヤクルト、温野菜を毎日食べるようにしていたのですがダメで、産院で便秘薬(酸化マグネシウム)を処方してもらいました。

酸化マグネシウムは飲み過ぎると便がゆるくなりすぎてしまうので、毎食後ではなく夕食後のみ飲むように。産後はとにかく喉が渇くので、たくさん水分をとっているせいか便秘になっていません。

ただ、妊娠中に痔になってしまい(泣)、便が硬くなると排便時に痛いので、今でも便をやわらかくするために酸化マグネシウムを飲むことがあります。

便秘対策をして、妊娠中のストレスを少しでも取り除きましょう

便秘が続くと吹き出物ができたり肌荒れをしたり、お腹が張ったり、不快な状態になります。妊娠後期は便秘以外にもさまざまなマイナートラブルが出やすくなる時期です。ここで紹介した便秘改善方法を試して、少しでも妊娠中のストレスを取り除きたいものですね。

記事を読む⇒⇒⇒【医師監修】臨月(妊娠10ヶ月)のお腹の張りの対策と過ごし方

取材・文/佐藤真紀

【監修】 天神 尚子 三鷹レディースクリニック 院長

日本医科大学付属病院、同大学産婦人科を経て、2004年に現クリニックを開院。年齢によって異なる女性のライフステージを考慮した治療を行っています。2人の子育てをした経験からくるアドバイスは頼りになると評判です。

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